去年の暮れに実家に帰ったとき、30年前に私が使っていた1/2サイズのバイオリンが出てきた。
Violino mezzo che suonavo a 10 anni (30 anni fa): BEFORE |
実は私は子供の頃、バイオリン教室に通っていたのである。
先生は厳しく、家でちっとも練習しなかった私はレッスンに行くのが嫌だった。
だから1、2年で行くのを止めた。ずっとそう思っていた。
ところが年末に会った母の証言によると、私は嫌々ながら5年ほども教室に通っていたというのである。しかも止めた理由は、教室がつぶれたからだそうだ。
なんだそれ。そんな記憶ない。
練習嫌いだったから、普通の1年分くらいの時間しかバイオリンに触っていなかったのかもしれない。
でもネックを見ると他の部分より色が薄いので、当時それなりに弾き込んだのかな~とも思ったのだが… バイオリンのネックの裏は塗装しないか透明なニスを塗るのが普通らしい。やっぱそうか。
写真では見えにくいが、本体内部を覗き込むと「MADE IN HUNGARY」と書かれたラベルが貼ってある。ハンガリー製。それ以外の情報は見当たらない。
"MADE IN HUNGARY" |
さて今年7歳になる息子は、去年の秋からバイオリンを習っている。
私が勧めたわけではない。私はどちらかというと、バイオリンよりウクレレを弾いてほしい。
自分から、バイオリンが弾きたいと言い出したのだ。本人に聞いても理由は分からず、何の因果かと思ったが、結局は教室に通わせることにした。優しくて根気強そうな先生の指導で、息子は少しずつ上達している。
子供用のバイオリンで悩ましいのは、分数で表されるサイズが幾つもあって、成長による体格の変化に合わせて違うサイズのものへと買い替えていかなければいけない点だ。
普通サイズのバイオリンは4/4サイズ。子供用はそこから、3/4、1/2、1/4、1/8、1/10、1/16、と小さくなっていく。1/16から始めたら、4/4サイズになるまで最多で6回、買い替えが発生するのである。まるで蛇が脱皮して大きくなっていくようだ。蛇みたいなくせに、お財布には厳しい話である。
息子は今、通っている教室の元・生徒さんが使っていた1/8サイズのバイオリンを譲ってもらって弾いている。息子の成長とともに今の楽器はサイズアウトし、別の幼い生徒さんに引き継がれることになるだろう。
だがその時に(まだ続けていれば)息子が乗り換えるべき、もう少し大きいサイズのバイオリンの当てがなかった。それがいきなり「私のお古」という形で現れたのはラッキーな話だと思う。
というわけで、この我が家限定的な掘り出し物をバイオリンの工房に持ち込んで、修理・調整をお願いしていた。それが完了したとの連絡を受け、今日引き取りに行ってきたのである。
Violino mezzo dopo la riparazione: AFTER |
エントリーの冒頭の写真が修理前、この写真が修理後のものだ。
違いがおわかりだろうか。
指板が割れてしまっていて、交換となった。魂柱もつけ直してもらった。あと、駒も弦も交換されている。
私には全くわからなかった。かろうじて、E弦にアジャスターが付いたことは分かった。それもずいぶん経ってから気づいた。
でもちょこっと弾いたら、修理前より音の響きが断然良くなっている、気がした。
そんな素人の依頼に親切に対応してくださった弦楽器いづつさんに感謝いたします。
ところで、息子が使うようになるにはまだ間があるもんで…
このバイオリン、しばらく私が借りて練習してみようかと思うんだよね…。
あんな小さなソプラノウクレレやベビーサイズウクレレが弾けるんだから、子供用バイオリンだって弾けるさ、きっと。同じ4本弦だし。
あ、弓は紛失してたから弓買わないと。あとボロボロのケースも新調してあげたいですな。
フフフ…。
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